インプラント

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95.「医学の父」ヒポクラテス

ヒポクラテスといえば、古代ギリシャの医学の大成者であり、近代医学の始祖と呼ばれている歴史上の人物です。彼はエーゲ海のコス島に世襲制の医者の子として生まれました。各地で医学を学んだ後、コス島の医学校の指導者となり、多くの著書を残しました。彼の功績で最も重要なことは、原始的な医学から迷信や呪術を切り離し、科学的な医学を発展させたことです。この業績から「医学の父」、「医聖」、「疫学の祖」と呼ばれています。彼は、歯科医学に関しても、解剖・病理・治療の3点から数多くの見識を残しています。その見識が、発展しながら近世まで受け継がれてきたのです。その中には、黄金線を用いた医療手法も書かれており、ヒポクラテスも歯の埋め込みを行っていたのではないか、と想像されます。このように、古代から世界各地で自然発生的に抜け落ちた歯に代替品を埋め込むことが行われており、これは人類共通の発想と言えるかもしれません。これに機械工学を含めた科学の光が当たるのは、ルネッサンスを経て近代テクノロジーの勃興以降のことになります。今日私たちがインプラントと呼んでいるものは、古代からあった発想の延長線上に位置しているのです。

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