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現在では、入れ歯の方が身近に感じますが、入れ歯の歴史は、古代遺跡にルーツを持つインプラントに比べれば、新しいということになります。「義歯」とは、歯科用語で「人工的な歯」の総称で、歯にかぶせる金属の冠やブリッジなども含まれるのです。このように見ると、老若男女を問わず、実に多くの人々が「義歯」のお世話になっています。インプラントは、広い意味では「義歯」の一つということができます。しかし、一般的には「義歯」を「入れ歯」、つまり取り外しのできる歯と考えて、高齢者を連想する人も多いようです。「入れ歯」を歴史的に見ると、使われていた素材は骨、象牙、カバの歯と結構多彩です。日本では、江戸時代には「入れ歯職人」がいて、ツゲの木を削ったり、木の床の部分に象牙を制して人工の歯にしたりと、涙ぐましい努力が行われていました。これらは歴史博物館などで見ることができます。また、江戸時代の入れ歯は識字率や清潔度などの文化レベルと同様、欧米と比べても相当に精巧にできていました。これは、現代の歯科医師の手技や機械工学の技術が世界的に高水準であることと似たような現象と言えます。
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