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19世紀末から試行錯誤があり、インプラント技術は徐々に発展していきましたが、インプラント治療に革命が起ったのは、1970年代でした。スウェーデンの若き医師であったブローネマルク医師が、偶然からチタンの優秀性を発見したのです。うさぎを使った基礎医学の実験を行っていて、このとき、うさぎの体内にチタン製の血流測定装置を取り付けました。数ヵ月後、装置を骨から取り外そうとしたところ、チタンが骨と一体化してしまったかのように、くっついてしまったのです。チタンが骨とくっつくかどうかを確認する実験ではなかったので、気にしなければ見逃してしまうような事実でした。ところが、ブローネマルクはそのことが、ずっと後年まで頭に残っていたのです。そして、名門のイェテボリ大学の教授になったブローネマルクは、チタンの用途を探求する実験に情熱を燃やしたのです。ブローネマルクは、チタンと骨とを接触させて数ヵ月の間、安静にしておくと非常に強く結合することを証明しました。単にくっつくだけではなく、外部から大きな力がかかっても耐えることができ、長期的にもその結合は、安定することがわかったのです。
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